+++ くだものKURITA 農薬の勉強会 +++
4.農薬の安全使用基準
農薬取締法第12条の6に「農林水産大臣は、農薬の安全かつ適切な使用を確保するため必要があると認めたときは、農薬の種類ごとに、その使用の時期及び方法その他の事項について農薬を使用する者が厳守する事が望ましい基準を定め、これを公表するものとする。」と規定されている。この規定に基いて、農林水産省は、「農薬残留に関する安全使用基準」、「水産動物の被害の防止に関する安全使用基準」、「水質汚濁の防止に関する安全使用基準」および「航空機を利用して行う農薬の散布に関する安全使用基準」の4つの基準を定め、農薬の適正使用をより一層推進し、安全な農作物の確保、公共用水域における水質保全、並びに水産動物の被害の防止などを図っている。
(1)農薬残留に関する安全使用基準
残留農薬基準値が設定されており、かつ、わが国で登録されている農薬については、農薬残留に関する安全使用基準が設定されており、適用する農作物ごとに、農薬製剤の剤型、使用方法、使用期間および使用回数が制限されている。
これらは農薬容器のラベルに、使用期間としては「収穫何日前まで」、使用回数としては「何回以内」などと、記載されている。
使用者はこの安全基準を厳守しなければならない。
安全使用基準は平成8年4月12日現在、82種類の農薬について設定されている。
また、残留農薬基準値が設定されていない農薬で、食用作物に使用される場合は、作物残留に係る登録保留基準値を超えないように「使用時期」や「使用回数」などが定められており、これらも農薬容器のラベルに記載されている。使用者がこれらの記載内容を厳守すれば、農作物中の残留農薬はこれらの基準値を越えることはない。
(2)水産動物の被害の防止に関する安全使用基準
(3)水質汚濁の防止に関する安全使用基準
(4)航空機を利用して行う農薬散布に関する安全使用基準
と続きますが割愛します。(^^ゞ 農薬の使用者が容器に記載されている内容をキチンと守らなければ安全な農作物の確保、公共用水域における水質保全、並びに水産動物の被害の防止などが図れないってことなんだね。こんどはいよいよ危な〜い農薬の話。最後まで読んでね。
5. 指定農薬
農薬取締法は、農薬の使用によって人畜および水産動植物の被害を防止するために、「作物残留性農薬」、「土壌残留性農薬」および「水質汚濁性農薬」を指定してる。これらに指定された農薬(指定農薬)については、その使用者の罰則規定までも含む厳しい使用規制がある。
指定農薬の使用に当っては、農業改良助長法に規定する改良普及員、もしくは植物防疫法に規定する病害虫防除員、またはこれに準じるものとして都道府県知事が指定する者の指導を受けるように努めるものと規定されている。全農の防除指導員も学歴経験に照らして指定される資格があろう。
指定農薬は以下のとおりである。〔 〕内の農薬は現在登録が失効している。
1)作物残留性農薬 〔ひ酸鉛〕、〔エンドリン〕
2)土壌残留性農薬 〔ディルドリン〕、〔アルドリン〕
3)水質汚濁性農薬 〔テロドリン〕、〔エンドリン〕、ベンゾエピン、〔PCP〕、ロテノン、シマジン
作物残留性農薬と土壌残留性農薬については、いずれも登録が失効しているため、ここでは説明を割愛する。
水質汚濁性農薬には相当広範囲な地域でまとまって使用される場合、水産動植物に著しい被害が発生するおそれがあるか、または、公共用水域の水質を汚濁し、その水の利用が原因となって人畜に被害を生じる恐れのある農薬が指定される。
これらの農薬の使用に当っては、都道府県知事の許可が必要である。
都道府県知事は、人畜や水産動植物への被害防止のために必要な範囲内に地域を限って使用地域を設定し、この水質汚濁性農薬の使用を規制する。この使用規制に従わなければ処罰される。
6. 毒物劇物指定
毒物及び劇物取締法は、保健衛生上の見地から、毒性の強い農薬を「毒物」または「劇物」と指定し、その製造、輸入、販売、使用などのあらゆる段階を通じて規制している。
毒物・劇物は、動物実験(主として急性毒性試験)における知見のほか、皮膚粘膜に対する刺激性やその物質の物理化学的性質、人の事故例などを考慮し総合的に判断され、指定されるが、主な判定基準は次のとおりである。
毒物・劇物の急性毒性の判定基準
毒物 | 劇物 | (普通物) | |
経口(LD50) | 30r/s以下 | 30r/sを越え 300r/s以下 |
毒物または劇物に 指定されなかったもの |
経皮(LD50) | 100r/s以下 | 100r/sを越え 1000r/s以下 |
|
吸入(LC50,1hr) | 200ppm以下 | 200ppmを越え 2000ppm以下 |
特殊な使い方をするくん蒸剤を除いて、出荷量(1994年、農薬要覧)の多い上位10種類の農薬を選び、これらと食品や天然毒素について急性経口毒性を比較した(第5表)。
第5表は、LD50値がより小さい値程より急性毒性が強いので、ビタミンC,ビタミンD3やお茶・コーヒーに含まれるカフェインよりも急性毒性が弱い農薬は10種類中7農薬あることを示している。
また、散布者が直接触れる粉剤や粒剤などは農薬成分が数十分の一濃度の製剤であり、乳剤や水和剤などの散布液は数百〜数千分の一に希釈したものであり、農薬成分自体よりもはるかに急性毒性が弱くなっている。
第5表 各種化学化合物の急性経口毒性(LD50、r/s)
食品 | 食塩 酢酸 カフェイン ビタミンA ビタミンC ビタミンD3 ソラニン |
3000〜3500 3310 192 2000,催奇形性 390 42 450 |
醤油 酢 茶,コーヒー ビタミン類 ビタミン類 ビタミン類 ジャガイモ |
天然毒素 | ポツリマス毒素 アマニチン テトロドトキシン 破傷風毒素 |
0.00000032 0.3 0.0085 0.0000017 |
食中毒原因菌が産生する毒 テングダケ毒 フグ毒 破傷風菌が産生する毒 |
農薬 | ベンフラカルブ アセフェート MEP メソミル イミダクロプリド ピリダベン プロベナゾール マンゼブ イソピルアミン塩 トリメシウム塩 グルホシネート |
138 866〜945 1700〜1720 17〜24 約300 820〜1350 2030 >5000 4050 748〜755 1620〜2000 |
殺虫剤 殺虫剤 殺虫剤 殺虫剤 殺虫剤 殺虫剤 殺菌剤 殺菌剤 除草剤 除草剤 除草剤 |
ほうほう、LD50ってことは、それを飲んだら半分の人が死に至る(個人差あるからね)、r/sって単位はたとえばビタミンCなら390rだから体重50kgの人なら390r×50で19500r、C1000ナントかって飲み物を一度に20本摂取すると50%の人が死に至るかも知れないって事なんだね。知らんかったね〜驚いた、ビタミン類なら飲めば飲むほど体に良いと思ってたのにね。
てな訳で、農薬はビタミン類やカフェインよりも急性毒性が弱いものもあり、しかも数十・数百〜数千倍に薄めて散布してるってことが御理解戴けましてでしょうか?この事を知っていただきたいが為に長々書き連ねた訳であります。長すぎ・・・文章まとめるの下手なもので・・・どうもお付き合いを有難う御座いました。バ〜イ Q〜。(^o^)丿
最後に、ここに書かれてる文章のほとんどが勉強会の時戴いた資料の丸コピーでっす、その後変更・追加になった箇所があるかも知れませんし私は学者ではありませんので難しい質問にはお答え出来無ません。