+++ くだものKURITA  農薬の勉強会 +++


3.登録の保留基準

 登録申請された農薬について前記の安全性評価に関する各試験成績が検査され、次の登録保留基準がクリアされない場合、農林水産大臣は登録を保留して申告者に対してその農薬の申請書の記載事項の訂正または品質改良を指示する事が出来る。
 農林水産大臣は、指示を受けた申請者が記載事項の訂正または品質改良をしない場合、その登録の申請を却下する。
 この基準には、@作物残留性、A土壌残留性、B水産動植物に[対する毒性およびC水質汚濁性の4つがある。

(1) 作物残留性

 登録申請書の記載内容に従って農薬を使用した時、農作物中の残留農薬が残留農薬基準を超える場合、その農薬は保留される。この残留農薬基準は厚生大臣が食品衛生法に基いて人の健康に全く影響を及ぼさない残留濃度を食品の規格基準として定めたものである。
 したがって、わが国で現在登録されていない農薬についても定められており、この残留農薬基準を超えた食品の販売は規制をを受ける。この残留農薬基準は、平成8年3月1日現在、108種類の農薬に設定されている。この残留農薬基準が未だ設定されていない農薬については、農薬取締法第3条第2項の規定によって環境庁長官が「作物残留に係る登録保留基準」を定めることになっており、この基準を超えるような使用方法の農薬の登録は保留される。
 この基準は平成7年11月28日現在、199種類の農薬に設定されている。
 しかし、これら両方の基準とも毒性試験の評価方法やADIの算定方式などの原則は、全く同じである。

(2) 土壌残留性

 農作物に農薬を使用した場合は勿論、以前に使用した農薬が土壌中に残留していたために農作物が汚染されることを防ぐための基準である。
 登録申請された農薬が土壌中で半分に減少するのに1年以上かかる場合、その農薬の登録は保留される。

(3) 水産動植物に対する毒性

 水田で使用された農薬の一部が河川などに流出し、コイ、エビなどに被害が及ばないようにするため、このような生物に対して毒性の強い農薬の登録は保留される。

(4) 水質汚濁性

 登録申請書の記載内容に従って農薬を使用した時、水田水中における農薬の150日間の平均濃度が環境基本法に基く環境基準の10倍を超える場合、その農薬の登録は保留される。
 環境基準が定められていない時は、環境庁長官が農薬取締法に基いて定めた基準を超える場合、その農薬の登録は保留される。


 とまぁ、農薬が農薬であるためには農林水産大臣ばかりでなく環境庁長官や厚生大臣さんのお世話になってるんですね。φ(^o^) 
保留されてるってことは農薬として販売されていないってこと。次は「農薬安全使用基準」です、農薬編の最終章ですので最後まで是非お付き合いをお願い致します。[農薬=怖〜い]ってイメージが少しでも軽くなるかも。(^^ゞ


もうたくさんの人  もっと知りたいって人